昆虫列車 第18集 8 ちから「スサノヲの命」童謡組曲 日名子丹

⑧さあ、いかがでしょう。第八段です。
見たことのある言葉がありますね。そうです「オロチ」です。
「オロチ」といえば、「ヤマタノオロチ」ですね。
 泣いていた老夫婦は、「アシナヅチ、テナヅチ」。毎年一人ずつ娘を「オロチ」に食べられてしまっていたのですね。それを聞いたスサノヲは、「オロチ」を退治してやるのです。
 さあ、お立ち会い。
 と、ここでまた、「古事記」を参照。なんとこのオロチ退治には、裏があったのです。さすが、スサノヲの命。スサノヲに無償の愛はないのです。
 そういえばこれも契約なのでしょうか。かつて、「アマテラス」とも契約を結びました。覚えてますか。その時には、契約の内容を確認しないで、それぞれの持ち物をかんで、神を出したという経緯がありました。その結果でどのようになるか、ということが抜け落ちていました。今度は、スサノヲも学習しました。もし「オロチ」を退治したら、「あなたの娘さんをわたしにくれませんか」ということを持ちかけるのです。二人は、「アマテラス」の弟と聞いて「そうでしたら恐れ多いことです。娘をさし上げましよう」と契約を交わすのです。「アマテラス」の認知度が高いことに驚きました。しかし、それ以上に驚くのは、娘さんの意思の確認が無いことです。婚姻が、当人の意志よりも家の契りであったことが理解できました。当然、この話も不二の組曲にはありません。
 「とどろ、とどろ、クシナダ」と繰り返します。「クシナダ」というのが、娘さんの名前です。「とどろ、とどろ」はどんな言葉でしょう。「轟く」という動詞でしょうか。「響いてきたぞ、響いてきたぞ」「オロチがやってきたぞ、気をつけろクシナダ。」と注意を呼びかけているのでしょうか。繰り返すことで、緊張感が増してきます。「山が鳴る、瀬が鳴る、谷が鳴る。その長さは谷八(や)つ峰(みね)八(や)つをわたつてる。」と繰り返します。「ヤマタノオロチ」は八つの頭、八つの尻尾。「その長さは谷八(や)つ峰(みね)八(や)つをわたつて」と、ものすごい大蛇です。
 「ヒの川」の上流では「たたら製鉄」が行われていたといいます。この古事記が記された時代の様子はまだ調べていませんが、「十束剣」や「草薙剣」が登場しているのでこの時代に製鉄が行われていたことは十分に推測できます。「もののけ姫」がこの地の「たたら製鉄」を舞台にしている話は、有名?です。

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昆虫列車本部昆虫列車182 スサノヲの命(まつしくら)
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この記事を書いた人

詩と童話の世界に魅了され、水上不二の作品をテーマにしたブログを運営しています。子どもの頃に読んだ彼の童話が心に深く刻まれ、それ以来、彼の詩や物語に込められたメッセージを探求し続けています。

文学を学ぶために大学で日本文学を専攻し、卒業後は国語教師として勤務。その後、自分自身の言葉で水上不二の世界を語りたいという思いから、ブログを立ち上げました。

趣味は読書、美術館巡り、そして詩の朗読。特に、水上不二の詩を声に出して読むと、彼の言葉が心に染み渡る瞬間があり、それが私の人生の喜びの一つです。

このブログを通して、水上不二の作品を通じた感動や発見を皆さんと分かち合い、詩と童話の世界を広げていけたらと願っています。

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