佐々木 成之– Author –

詩と童話の世界に魅了され、水上不二の作品をテーマにしたブログを運営しています。子どもの頃に読んだ彼の童話が心に深く刻まれ、それ以来、彼の詩や物語に込められたメッセージを探求し続けています。
文学を学ぶために大学で日本文学を専攻し、卒業後は国語教師として勤務。その後、自分自身の言葉で水上不二の世界を語りたいという思いから、ブログを立ち上げました。
趣味は読書、美術館巡り、そして詩の朗読。特に、水上不二の詩を声に出して読むと、彼の言葉が心に染み渡る瞬間があり、それが私の人生の喜びの一つです。
このブログを通して、水上不二の作品を通じた感動や発見を皆さんと分かち合い、詩と童話の世界を広げていけたらと願っています。
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昆虫列車 第1集 瘤
瘤 水上不二 おぢいさま、おぢいさま、青い空です、とても。 おうさ、ことしも、林檎のあたり年ぢやろ。 おぢいさま、おぢいさま、お散歩しましよ、庭を。 おうさ、そこらに、林檎の虫が飛んでるな。 おぢいさま、おぢいさま、飛行機ですよ、あれは。 ... -
昆虫列車 第1集 薔薇の木
薔薇の木 水上不二 薔薇の木、とても咲いたな。ベルだよ、りんろん揺れてる。 薔薇の木、あれはお月夜。蜂の巣、帽子(しやつぽ)にとったな。 薔薇の木、神父さまだよ。とげなど、やさしく撫でてる。 薔薇の木、いまに散るだろ。はなびら、香炉に焚かう... -
昆虫列車 第1集 麝香あげは
麝香あげは 水上不二 鉄の扉に榠子が咲いた、麝香あげはがひらひらしていた。 青くけぶった香炉のかげに、波斯猫だかひっそりしてた。 いつかみんなで柱にかけた、銀の十字架がきらきらしてた。 昼の日なかにおあかり献げて、神父さまだか、おいの... -
新聞に掲載された寄稿文(からくわ民友新聞)一覧
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大島小学校PTA新聞くぐなり 「くぐなり」への手紙一覧
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新聞に掲載された寄稿文(三陸新報)「九年ぶりの旅」「小金井手帳」一覧
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大島小学校PTA新聞くぐなり 「くぐなり」への手紙0
1961(昭和36)年11月8日(水) 母校米寿 八十八周年を手帖の年齢早見表で見ると、大島小学校が誕生したのは、日本ではじめて学制が発布された明治五年か六年で、ついでに数えてみると、私たち男女四十人ばかりが入学したのは明治四十三年の四月というわけ... -
童話が掲載された書籍等一覧
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大島小学校PTA新聞くぐなり 「くぐなり」への手紙6
1963(昭和38)年9月14日(土) 「くぐなり」への手紙6 〔その六〕 第四信で「メモ風のほんの数行のきれぎれが……」と書きましたが、かつて鈴木三重吉先生が主宰していた「赤い鳥」では誌代を送る振替用紙の通信欄にスペースをとって、家庭でのこどもの言動... -
大島小学校PTA新聞くぐなり 「くぐなり」への手紙5
1963(昭和38)年7月1日(月) 「くぐなり」への手紙5 〔その五〕 三月の末に、遠藤金坪さんの「早春」と題する絵を学校から拝受しました。紺碧の海に唐島がもりあがり、前景には麦畑がひらけ、左には松をいただいた石灰岩?の崖がそばだち、楽しくもなつ...
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水上不二
水上 不二(みずかみ ふじ、男性、1904年(明治37年)1月10日 - 1965年(昭和40年)3月31日)は、日本の童謡詩人、童話作家、作詞家。 来歴宮城県本吉郡大島村(現在の気仙沼市)字長崎にて父・佐助、母・あやの の次男として生まれる。 1918年(大正7年)... -
講談社の絵本ゴールド版109 金のりんご
1963(昭和38)年2月号下 金のりんご 水上不二 「金のりんご」は、アイルランドの詩人イェーツの編んだ「アイルランド童話集」の中の「コン=イーダの話」、またの名「アーン湖の金のりんご」によったもので、大昔、アイルランドが、西方の幸福の島と... -
詩が掲載された昆虫列車一覧
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昆虫列車とは?なぜこの作品をつくることになったのか
『昆虫列車』とは、昭和12年に水上不二が主宰し、まど・みちおや米山愛紫らと創刊した同人誌です。昆虫列車のスタートが第1集である『昆虫列車』であり創刊号です。 『昆虫列車』の概要を知るためには、『昆虫列車』第1集p3とp12『昆虫列車点描』、最終裏... -
童話が掲載された書籍等一覧
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新聞に掲載された寄稿文(三陸新報)「九年ぶりの旅」「小金井手帳」一覧
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大島小学校PTA新聞くぐなり 「くぐなり」への手紙一覧
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昆虫列車 第3集 葵
葵 水上不二 雌蕋(おしべ)よ, 雄蕋(めしべ)よ, お日さまにぶいよ。 にぶいよ, つゆばれ, 葵が咲いてる。 雌蕋(おしべ)よ, 雄蕋(めしべ)よ, みるくの息だよ。 ちろちろ, とかげが, 香(にほ)ひを吐いてる。 雌蕋(おしべ)よ, 雄... -
昆虫列車第1集 P2 巻頭詩
昆虫列車第1集 P2 昆虫列車 はしれ、はしれよ、昆虫列車 けふの日和に、季節の風に。 ベルを鳴らして、お旗をあげて、 蒔いて行くのはお花の種子か。 はしれ、はしれよ、昆虫列車、 遠いかすみへ、スバルの星へ。 草のトンネル、もひとつくぐりや、 雲が... -
講談社の絵本ゴールド版112 かしこいこじか
1963(昭和38)年4月号上 かしこいこじか 水上不二 とおい みなみの くにに、かんちーると いう こじかが いました。あるひ、みずを のみに、かわの そばへ いきました。 すると、みずの うえに、ぽっかりと きの ぼうが うかんで いま...