佐々木 成之– Author –

詩と童話の世界に魅了され、水上不二の作品をテーマにしたブログを運営しています。子どもの頃に読んだ彼の童話が心に深く刻まれ、それ以来、彼の詩や物語に込められたメッセージを探求し続けています。
文学を学ぶために大学で日本文学を専攻し、卒業後は国語教師として勤務。その後、自分自身の言葉で水上不二の世界を語りたいという思いから、ブログを立ち上げました。
趣味は読書、美術館巡り、そして詩の朗読。特に、水上不二の詩を声に出して読むと、彼の言葉が心に染み渡る瞬間があり、それが私の人生の喜びの一つです。
このブログを通して、水上不二の作品を通じた感動や発見を皆さんと分かち合い、詩と童話の世界を広げていけたらと願っています。
-
大島小学校PTA新聞くぐなり 「くぐなり」への手紙1
1962(昭和37)年8月7日(火) 「くぐなり」への手紙1 〔その一〕 「くぐなり」の未着分をお願いしましたら、さっそく送って頂き、うれしく拝見しているところへ、またも同じバックナンバーが届けられました。これは貴重な資料となるものなので、重複する分... -
からくわ民友新聞 唐桑につながるもの8
1963(昭和38)年7月15日(水) 唐桑につながるもの【補遣】 ~生家の火事と唐桑のイカ釣り船~ もし焼けなかったら、たとえあばらやであっても、あっさりと”生家“と呼べたであろう。その家が烏有に帰した前後の事情について、郷里の叔父にたずねたところ、... -
からくわ民友新聞 唐桑につながるもの7
1963(昭和38)年6月5日(水) 唐桑につながるもの7 ~想いは尽きない地縁~ 昨年の春、大島小学校を勇退した村上初助氏が発令を目前にして病いにたおれ、仙台の病院に入院したという報知に驚かされた。何たることかと、一瞬、目のくらむような衝撃に思わず... -
からくわ民友新聞 唐桑につながるもの6
1963(昭和38)年5月5日(日) 唐桑につながるもの6 ~図らず母校で講演~ そのとき、いっしょにいて声をかけた女性は誰だったろう。浦島時代の生徒にはちがいないが、ついききそびれてしまった。あとで小梨先生に、誰であったかとはがきでたずねたが、返事... -
からくわ民友新聞 唐桑につながるもの5
1963(昭和38)年4月25日(木) 唐桑につながるもの5 ~懐かしむ唐桑行脚~ 時は惜しみなく流れて、昭和三十二年になった。私は大島中学校の校歌を書き、芥川也寸志氏が作曲された。このとき、小松勝吉校長から送られた資料によって、鹿折と浦島の校歌を巽聖... -
からくわ民友新聞 唐桑につながるもの4
1963(昭和38)年4月15日(月) 唐桑につながるもの4 ~消えやらぬ文学熱~ 昭和十一年も六月になった。いつまでもこうしていてはいられなかった。何とかせねばならなかった。かねて語り合っていた准教員の試験を受けに、私より二年若い近所の村上初助君と... -
からくわ民友新聞 唐桑につながるもの3
1963(昭和38)年4月5日(水) 唐桑につながるもの3 ~水産学校時代~ 大正七年の四月、みんなより十日くらいおくれて、私は水産学校に入学した。授業料は三十銭で、浦の浜と気仙沼の間を往復する船賃も、月額が同じ三十銭であった。 もともと私は水産学校... -
からくわ民友新聞 唐桑につながるもの2
1963(昭和38)年3月20日(水) 唐桑につながるもの2 本紙創刊号の「唐桑領歌」で、私は”唐桑は祖父が出生の地”と書いた。唐桑と私を結びつけるもろもろのうちで最も重要なのは、この血のつながりであろう。 祖父は千葉の家の生まれで、幼いころ養子にきた... -
からくわ民友新聞 唐桑につながるもの1
1963(昭和38)年3月15日(金) 唐桑につながるもの1 私の家が火事で焼け失せたのは、私が生まれた前後の事情から推して、明治三十六年の十二月頃でもあったらしい。原因は子どもの焚火だと老人たちはいい、近所をはばかる口ぶりではあったが、はっきりした... -
三陸新報 小金井手帳12
1963(昭和38)年5月24日(金) 小金井手帳⑫ ⑫ 去年の春、うぐいすの声もひばりのさえずりさえもついに聞けなかったことを、私は嘆くような調子で短文に綴った。もうこのあたりで野天の声は聞けないものと観念していた。 ところは、今年はどうだろう。...
-
水上不二
水上 不二(みずかみ ふじ、男性、1904年(明治37年)1月10日 - 1965年(昭和40年)3月31日)は、日本の童謡詩人、童話作家、作詞家。 来歴宮城県本吉郡大島村(現在の気仙沼市)字長崎にて父・佐助、母・あやの の次男として生まれる。 1918年(大正7年)... -
詩が掲載された昆虫列車一覧
-
大島小学校PTA新聞くぐなり 「くぐなり」への手紙一覧
-
童話が掲載された書籍等一覧
-
講談社の絵本ゴールド版109 金のりんご
1963(昭和38)年2月号下 金のりんご 水上不二 「金のりんご」は、アイルランドの詩人イェーツの編んだ「アイルランド童話集」の中の「コン=イーダの話」、またの名「アーン湖の金のりんご」によったもので、大昔、アイルランドが、西方の幸福の島と... -
昆虫列車 第3集 葵
葵 水上不二 雌蕋(おしべ)よ, 雄蕋(めしべ)よ, お日さまにぶいよ。 にぶいよ, つゆばれ, 葵が咲いてる。 雌蕋(おしべ)よ, 雄蕋(めしべ)よ, みるくの息だよ。 ちろちろ, とかげが, 香(にほ)ひを吐いてる。 雌蕋(おしべ)よ, 雄... -
新聞に掲載された寄稿文(三陸新報)「九年ぶりの旅」「小金井手帳」一覧
-
昆虫列車とは?なぜこの作品をつくることになったのか
『昆虫列車』とは、昭和12年に水上不二が主宰し、まど・みちおや米山愛紫らと創刊した同人誌です。昆虫列車のスタートが第1集である『昆虫列車』であり創刊号です。 『昆虫列車』の概要を知るためには、『昆虫列車』第1集p3とp12『昆虫列車点描』、最終裏... -
昆虫列車第1集 P2 巻頭詩
昆虫列車第1集 P2 昆虫列車 はしれ、はしれよ、昆虫列車 けふの日和に、季節の風に。 ベルを鳴らして、お旗をあげて、 蒔いて行くのはお花の種子か。 はしれ、はしれよ、昆虫列車、 遠いかすみへ、スバルの星へ。 草のトンネル、もひとつくぐりや、 雲が... -
新聞に掲載された寄稿文(からくわ民友新聞)一覧