佐々木 成之– Author –

詩と童話の世界に魅了され、水上不二の作品をテーマにしたブログを運営しています。子どもの頃に読んだ彼の童話が心に深く刻まれ、それ以来、彼の詩や物語に込められたメッセージを探求し続けています。
文学を学ぶために大学で日本文学を専攻し、卒業後は国語教師として勤務。その後、自分自身の言葉で水上不二の世界を語りたいという思いから、ブログを立ち上げました。
趣味は読書、美術館巡り、そして詩の朗読。特に、水上不二の詩を声に出して読むと、彼の言葉が心に染み渡る瞬間があり、それが私の人生の喜びの一つです。
このブログを通して、水上不二の作品を通じた感動や発見を皆さんと分かち合い、詩と童話の世界を広げていけたらと願っています。
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三陸新報 小金井手帳11
1963(昭和38)年5月17日(金) 小金井手帳⑪ ⑪ さきに、伊藤武君にもらった二冊の「詩歌」について書いたとき、白日社の歌人に和田山蘭の名をあげたが、和田氏は若山牧水の「創作」の人であったことに、あとで気がついたので、このあやまりを訂正する機会を... -
三陸新報 小金井手帳10
1963(昭和38)年4月18日(木) 小金井手帳⑩ ⑩ 昭和二十五年の七草の日にこの家にこして来てからというもの毎年三月の半ばを過ぎると、ひばりは陽春を告げる鳥で、にぎやかなさえずりがほとんど一日じゅうまぶしい空から降りこぼれて来た。 ある朝、... -
三陸新報 小金井手帳9
1963(昭和38)年4月17日(水) 小金井手帳9 ⑨ これも話はややさかのぼるが小金井警察署桜町駐在所の今川武司巡査は、去年の十一月に警視総監賞を受けた次第を聞いて、わたしは感動した。 三年前に渋谷署から転勤してきて間もなく、受持区域の関野町... -
三陸新報 小金井手帳8-2
1963(昭和38)年4月13日(土) 小金井手帳8ノ2 8ノ2 惜しいかな、十五年の五月、一日中走り回った銀さんは急性肺炎でたおれ、医師の治療や周囲の人たちの祈りも空しく、一週間後に息をひきとった。四十五才の若さであった。 この年、ひいき客の岩... -
三陸新報 小金井手帳8-1
1963(昭和38)年4月12日(金) 小金井手帳8ノ1 8ノ1 もうひと月ばかり前のことになるが、去る二月二十八日の朝近くの空で、時ならぬ花火の音がした。きけば、新しくできる仮称・小金井駅の起工式が、中央線に近い畑の中で挙げられたとか。 武蔵小... -
三陸新報 小金井手帳7
1961(昭和36)年10月22日(日) 小金井手帳7 7 三百年の伝統をもつといわれる小金井の栗が、この秋は十年ぶりで、かなりの収穫が見込まれているらしい。 といっても、必ずしも豊作というわけではなく、先年、クリタマバチが発生して壊滅状態になっ... -
三陸新報 小金井手帳6
1961(昭和36)年10月8日(日) 小金井手帳6 遠藤君!ぼくの家でもやっと電話がひけたよ。〇二三ー八局の〇四五三番だ。鉄筋コンクリート二階建ての小金井電報電話局ができたのだ。 開局は八月六日の午前零時だったが、去年の八月に共同電話を申し込んでお... -
三陸新報 小金井手帳5-2
1961(昭和36)年9月3日(日) 小金井手帳5-下 (5)下 あくる三十二年には唐桑中学校と白山小学校の校歌を書いた。三十二年の三月には津谷中学校のができ、九月には作曲をされた東京大学の末広恭雄教授と唐桑を訪れた。 にもかかわらず、大島の記念碑の... -
三陸新報 小金井手帳5-1
1961(昭和36)年9月2日(土) 小金井手帳5-上 (5) 上 大島中学校の校歌制定記念碑の除幕式は、開校記念日をぼくして四月十五日の午後一時半から行われたが、あいにくの雨だったという。十六日の本紙の写真では、誰かが長靴にこうもりがさをさして碑に... -
三陸新報 小金井手帳4
1961(昭和36)年8月24日(木) 小金井手帳4 (4) それは昭和三十年のころであったらしい。季節は秋で、しのぎやすい気候であった。 昭和二十六年の夏以来療養生活を続けていた私は、その日も病院から帰ると、板の間のちゃぶ台を前に、一人で昼飯を食べ...
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水上不二
水上 不二(みずかみ ふじ、男性、1904年(明治37年)1月10日 - 1965年(昭和40年)3月31日)は、日本の童謡詩人、童話作家、作詞家。 来歴宮城県本吉郡大島村(現在の気仙沼市)字長崎にて父・佐助、母・あやの の次男として生まれる。 1918年(大正7年)... -
詩が掲載された昆虫列車一覧
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大島小学校PTA新聞くぐなり 「くぐなり」への手紙一覧
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童話が掲載された書籍等一覧
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講談社の絵本ゴールド版109 金のりんご
1963(昭和38)年2月号下 金のりんご 水上不二 「金のりんご」は、アイルランドの詩人イェーツの編んだ「アイルランド童話集」の中の「コン=イーダの話」、またの名「アーン湖の金のりんご」によったもので、大昔、アイルランドが、西方の幸福の島と... -
昆虫列車 第3集 葵
葵 水上不二 雌蕋(おしべ)よ, 雄蕋(めしべ)よ, お日さまにぶいよ。 にぶいよ, つゆばれ, 葵が咲いてる。 雌蕋(おしべ)よ, 雄蕋(めしべ)よ, みるくの息だよ。 ちろちろ, とかげが, 香(にほ)ひを吐いてる。 雌蕋(おしべ)よ, 雄... -
新聞に掲載された寄稿文(三陸新報)「九年ぶりの旅」「小金井手帳」一覧
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昆虫列車とは?なぜこの作品をつくることになったのか
『昆虫列車』とは、昭和12年に水上不二が主宰し、まど・みちおや米山愛紫らと創刊した同人誌です。昆虫列車のスタートが第1集である『昆虫列車』であり創刊号です。 『昆虫列車』の概要を知るためには、『昆虫列車』第1集p3とp12『昆虫列車点描』、最終裏... -
昆虫列車第1集 P2 巻頭詩
昆虫列車第1集 P2 昆虫列車 はしれ、はしれよ、昆虫列車 けふの日和に、季節の風に。 ベルを鳴らして、お旗をあげて、 蒔いて行くのはお花の種子か。 はしれ、はしれよ、昆虫列車、 遠いかすみへ、スバルの星へ。 草のトンネル、もひとつくぐりや、 雲が... -
新聞に掲載された寄稿文(からくわ民友新聞)一覧