佐々木 成之– Author –

詩と童話の世界に魅了され、水上不二の作品をテーマにしたブログを運営しています。子どもの頃に読んだ彼の童話が心に深く刻まれ、それ以来、彼の詩や物語に込められたメッセージを探求し続けています。
文学を学ぶために大学で日本文学を専攻し、卒業後は国語教師として勤務。その後、自分自身の言葉で水上不二の世界を語りたいという思いから、ブログを立ち上げました。
趣味は読書、美術館巡り、そして詩の朗読。特に、水上不二の詩を声に出して読むと、彼の言葉が心に染み渡る瞬間があり、それが私の人生の喜びの一つです。
このブログを通して、水上不二の作品を通じた感動や発見を皆さんと分かち合い、詩と童話の世界を広げていけたらと願っています。
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講談社の絵本ゴールド版85 ひげのおじいさんとつぼ
1962(昭和37)年2月号下 ひげのおじいさんとつぼ 水上不二 むかし、ある まちに、とても おこりんぼうで、けんかの すきな こどもが いました。 きょうも、ともだちと けんかをして、おとうさんに しかられました。「そんなに けんかの す... -
講談社の絵本ゴールド版80 なおこちゃんとすずめ
1962(昭和37)年1月号下 なおこちゃんとすずめ 水上不二 ちゆんくるちゆん、ちゆんくる ちゅん。 なおこちゃんは、おとうさんにかって いただいた とりかごを まどの ききに つるして、すずめを かって いました。おとなたちが、きれいな... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅9
1956(昭和31)年12月27日(木) 九年ぶりの旅9 9 マッチ箱を並べたような街並が朝の光に見えてきた。東京と名のつく圏内へはいったのだ。あたりは灰色にくすんで、太陽もどんよりしていた。おしつけられるような気持で、上野駅から山手線に乗り換えた。... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅8-2
1956(昭和31)年12月26日(水) 九年ぶりの旅8-2 大島に帰ると、高井の叔母の家を訪ねてそそくさと生家にもどった。知りあいや近所じゅうからの心づくしの贈り物がとどいてた。何とお礼をいってよいかわからない。ごく近くの数軒をあいさつして回った。 ... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅8
1956(昭和31)年12月25日(火) 九年ぶりの旅8 いよいよ八日になった。近藤家を辞して、小山氏と道を急いだ。鉄路をまたぐとき、むこうでは駅舎の建造が朝からいそがしそうであった。どこかに出張しているという菊田隆一氏会う由もなかった。 気仙沼でバ... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅7-2
1956(昭和31)年12月20日(木) 九年ぶりの旅7-2 鈴木軍太郎氏がやってきた。これが路上でも会ったのなら、お互いにそのまま行き過ぎたであろう。しばし顔を見合って、少年の日に視点を求めていた。かれの勤勉と努力はその家をより豊かにしたがPTAの会... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅7
1956(昭和31)年12月19日(水) 九年ぶりの旅7 いいようのない悔いのようなものが霧のようにふきあげてくる。感動のあとできまっておこる心象風景だ。何がなし、空虚でさびしい。 でも、きのうの雨でコンクリートの天水桶があふれている七日の朝だ。高井... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅6-2
1956(昭和31)年12月14日(金) 九年ぶりの旅6-2 研究討議がはじまった。司会の近藤校長は長老の坐りであった。限られた時間を急ぐでもなく、たくみに議事を進行した。ことばのはしばしに、かれ独特のアクセントがあった。 プログラムは“講演ならびに指... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅6
1956(昭和31)年12月13日(木) 九年ぶりの旅6 六日の中学校は、研究会にかかわる人びとが肩を触れあっていた。職員室の椅子には小山良治先生がおられた。廊下で村上栄四郎先生を発見し、ついで小松庄吉先生にお目にかかった。旧知のだれかれのなかには歌... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅5-3
1956(昭和31)年12月8日(土) 九年ぶりの旅5 ともあれ、東京あたりでもちょっと見られないようなよい講堂であった。小学校様相も一変してむかしの面影はなかった。ていねいに見てまわる時間のないのが心残りであった。 小松校長と連れだって、もとの村...
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水上不二
水上 不二(みずかみ ふじ、男性、1904年(明治37年)1月10日 - 1965年(昭和40年)3月31日)は、日本の童謡詩人、童話作家、作詞家。 来歴宮城県本吉郡大島村(現在の気仙沼市)字長崎にて父・佐助、母・あやの の次男として生まれる。 1918年(大正7年)... -
詩が掲載された昆虫列車一覧
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大島小学校PTA新聞くぐなり 「くぐなり」への手紙一覧
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童話が掲載された書籍等一覧
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講談社の絵本ゴールド版109 金のりんご
1963(昭和38)年2月号下 金のりんご 水上不二 「金のりんご」は、アイルランドの詩人イェーツの編んだ「アイルランド童話集」の中の「コン=イーダの話」、またの名「アーン湖の金のりんご」によったもので、大昔、アイルランドが、西方の幸福の島と... -
昆虫列車 第3集 葵
葵 水上不二 雌蕋(おしべ)よ, 雄蕋(めしべ)よ, お日さまにぶいよ。 にぶいよ, つゆばれ, 葵が咲いてる。 雌蕋(おしべ)よ, 雄蕋(めしべ)よ, みるくの息だよ。 ちろちろ, とかげが, 香(にほ)ひを吐いてる。 雌蕋(おしべ)よ, 雄... -
新聞に掲載された寄稿文(三陸新報)「九年ぶりの旅」「小金井手帳」一覧
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昆虫列車とは?なぜこの作品をつくることになったのか
『昆虫列車』とは、昭和12年に水上不二が主宰し、まど・みちおや米山愛紫らと創刊した同人誌です。昆虫列車のスタートが第1集である『昆虫列車』であり創刊号です。 『昆虫列車』の概要を知るためには、『昆虫列車』第1集p3とp12『昆虫列車点描』、最終裏... -
昆虫列車第1集 P2 巻頭詩
昆虫列車第1集 P2 昆虫列車 はしれ、はしれよ、昆虫列車 けふの日和に、季節の風に。 ベルを鳴らして、お旗をあげて、 蒔いて行くのはお花の種子か。 はしれ、はしれよ、昆虫列車、 遠いかすみへ、スバルの星へ。 草のトンネル、もひとつくぐりや、 雲が... -
新聞に掲載された寄稿文(からくわ民友新聞)一覧