詩– category –
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昆虫列車 第1集 薔薇の木
薔薇の木 水上不二 薔薇の木、とても咲いたな。ベルだよ、りんろん揺れてる。 薔薇の木、あれはお月夜。蜂の巣、帽子(しやつぽ)にとったな。 薔薇の木、神父さまだよ。とげなど、やさしく撫でてる。 薔薇の木、いまに散るだろ。はなびら、香炉に焚かう... -
昆虫列車 第1集 麝香あげは
麝香あげは 水上不二 鉄の扉に榠子が咲いた、麝香あげはがひらひらしていた。 青くけぶった香炉のかげに、波斯猫だかひっそりしてた。 いつかみんなで柱にかけた、銀の十字架がきらきらしてた。 昼の日なかにおあかり献げて、神父さまだか、おいの... -
昆虫列車第1集 P2 巻頭詩
昆虫列車第1集 P2 昆虫列車 はしれ、はしれよ、昆虫列車 けふの日和に、季節の風に。 ベルを鳴らして、お旗をあげて、 蒔いて行くのはお花の種子か。 はしれ、はしれよ、昆虫列車、 遠いかすみへ、スバルの星へ。 草のトンネル、もひとつくぐりや、 雲が... -
昆虫列車 第3集 葵
葵 水上不二 雌蕋(おしべ)よ, 雄蕋(めしべ)よ, お日さまにぶいよ。 にぶいよ, つゆばれ, 葵が咲いてる。 雌蕋(おしべ)よ, 雄蕋(めしべ)よ, みるくの息だよ。 ちろちろ, とかげが, 香(にほ)ひを吐いてる。 雌蕋(おしべ)よ, 雄...