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地方紙への寄稿
三陸新報 小金井手帳3
1961(昭和36)年8月24日(木) 小金井手帳3 (3) 私が歌人熊谷武雄の名をはじめて知ったのは、水産学校のころ、一年上の伊藤武君にもらった二冊の「詩歌」からであった。何度か読み返されたらしいバックナンバアではあったが、表紙を開くと、第一ページ... -
地方紙への寄稿
三陸新報 小金井手帳2
1957(昭和32)年12月7日(土) 小金井手帳(下) (下) たしか九月二十七日だったと思う。夕方、久かたぶりに銀座へ出かけた。「ろばの会」の第一回発表会をのぞいてみようと思いたったのだ。一念発起というわけか。 「ろばの会」は、磯部とし、宇賀神... -
地方紙への寄稿
三陸新報 小金井手帳1
1957(昭和32)年12月6日(金) 小金井手帳(上) (上) ーーブジツイタ、クモヒトツナシ、リョウコ。 だしぬけに、岩手県へ行ってきたいといいだし、ゆうべ、ひとりで上野をたった三女から、千厩発の電報がきた。こっちは快晴の十時半ころだった。 ほ... -
物語
講談社の絵本ゴールド版113 くもになったぱん
1963(昭和38)年4月号下 くもになったぱん 水上不二 ①めりーさんは、ぱんを つくりました。おなべに いれて ふくらませました。 ②ぱんは。ずんずん おおきく なっていきました。 ③めりーさんは、てかごを さげて。いちばへ かいものに でかけ... -
物語
講談社の絵本ゴールド版112 かしこいこじか
1963(昭和38)年4月号上 かしこいこじか 水上不二 とおい みなみの くにに、かんちーると いう こじかが いました。あるひ、みずを のみに、かわの そばへ いきました。 すると、みずの うえに、ぽっかりと きの ぼうが うかんで いま... -
物語
講談社の絵本ゴールド版109 金のりんご
1963(昭和38)年2月号下 金のりんご 水上不二 「金のりんご」は、アイルランドの詩人イェーツの編んだ「アイルランド童話集」の中の「コン=イーダの話」、またの名「アーン湖の金のりんご」によったもので、大昔、アイルランドが、西方の幸福の島と... -
物語
講談社の絵本ゴールド版103 ふしぎなてーぶるかけ
1962(昭和37)年11月号下 ふしぎなてーぶるかけ 水上不二 ぶーつは、のはらの なかの ちいさな いえに、おかあさんと ふたりで すんでいました。 びゅう、ぴゅうと きたかぜの ふく、さむい ひでした。「ぶーつや。ものおきへ いって、こむ... -
物語
講談社の絵本ゴールド版102 みんなのりんご
1962(昭和37)年11月号上 みんなのりんご 水上不二 ふんらすの くにの しずかな むらです。みちばたに、りんごの なみきが つづいて います。どの きにも、あかくて おおきな りんごが、たくさん なって います。 おいしそうに ひかって... -
物語
講談社の絵本ゴールド版94 こいぬとにじ
1962(昭和37)年7月号上 こいぬとにじ 水上不二 こいぬが、のはらで あそんで いました。 ばらばらと あめが ふってきました。こいぬは、まつの きのしたへ いって、いしの そばに さいて いる あかい はなを みて いました。 あめは... -
物語
講談社の絵本ゴールド版92 いしやのぴえーとろ
1962(昭和37)年6月号上 いしやのぴえーとろ 水上不二 いしやの ぴえーとろは、はたらいても はたらいても、いつも びんぼうでした。そこで、ぴえーとろは、かみきまに おねがいしました。 「わたしに、きんや ぎんの いっばい ついた がい...