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講談社の絵本ゴールド版102 みんなのりんご
1962(昭和37)年11月号上 みんなのりんご 水上不二 ふんらすの くにの しずかな むらです。みちばたに、りんごの なみきが つづいて います。どの きにも、あかくて おおきな りんごが、たくさん なって います。 おいしそうに ひかって... -
講談社の絵本ゴールド版94 こいぬとにじ
1962(昭和37)年7月号上 こいぬとにじ 水上不二 こいぬが、のはらで あそんで いました。 ばらばらと あめが ふってきました。こいぬは、まつの きのしたへ いって、いしの そばに さいて いる あかい はなを みて いました。 あめは... -
講談社の絵本ゴールド版92 いしやのぴえーとろ
1962(昭和37)年6月号上 いしやのぴえーとろ 水上不二 いしやの ぴえーとろは、はたらいても はたらいても、いつも びんぼうでした。そこで、ぴえーとろは、かみきまに おねがいしました。 「わたしに、きんや ぎんの いっばい ついた がい... -
講談社の絵本ゴールド版85 ひげのおじいさんとつぼ
1962(昭和37)年2月号下 ひげのおじいさんとつぼ 水上不二 むかし、ある まちに、とても おこりんぼうで、けんかの すきな こどもが いました。 きょうも、ともだちと けんかをして、おとうさんに しかられました。「そんなに けんかの す... -
講談社の絵本ゴールド版80 なおこちゃんとすずめ
1962(昭和37)年1月号下 なおこちゃんとすずめ 水上不二 ちゆんくるちゆん、ちゆんくる ちゅん。 なおこちゃんは、おとうさんにかって いただいた とりかごを まどの ききに つるして、すずめを かって いました。おとなたちが、きれいな... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅9
1956(昭和31)年12月27日(木) 九年ぶりの旅9 9 マッチ箱を並べたような街並が朝の光に見えてきた。東京と名のつく圏内へはいったのだ。あたりは灰色にくすんで、太陽もどんよりしていた。おしつけられるような気持で、上野駅から山手線に乗り換えた。... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅8-2
1956(昭和31)年12月26日(水) 九年ぶりの旅8-2 大島に帰ると、高井の叔母の家を訪ねてそそくさと生家にもどった。知りあいや近所じゅうからの心づくしの贈り物がとどいてた。何とお礼をいってよいかわからない。ごく近くの数軒をあいさつして回った。 ... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅8
1956(昭和31)年12月25日(火) 九年ぶりの旅8 いよいよ八日になった。近藤家を辞して、小山氏と道を急いだ。鉄路をまたぐとき、むこうでは駅舎の建造が朝からいそがしそうであった。どこかに出張しているという菊田隆一氏会う由もなかった。 気仙沼でバ... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅7-2
1956(昭和31)年12月20日(木) 九年ぶりの旅7-2 鈴木軍太郎氏がやってきた。これが路上でも会ったのなら、お互いにそのまま行き過ぎたであろう。しばし顔を見合って、少年の日に視点を求めていた。かれの勤勉と努力はその家をより豊かにしたがPTAの会... -
三陸新報〈学芸〉九年ぶりの旅7
1956(昭和31)年12月19日(水) 九年ぶりの旅7 いいようのない悔いのようなものが霧のようにふきあげてくる。感動のあとできまっておこる心象風景だ。何がなし、空虚でさびしい。 でも、きのうの雨でコンクリートの天水桶があふれている七日の朝だ。高井...